戌の日
2007年03月29日 スタッフ皆さんは「戌の日」をご存知ですか? 「戌の日」とは、犬が安産であるということから、犬にあやかって、安産を願い、 妊娠5ヶ月の妊婦が腹帯をしめる(現代新国語辞典より)日として、古くは日本古来より風習が始まったといわれています。 効用としては、腹帯を巻くことにより大きくなるおなかを支え、姿勢を正しく保つことにより、腰痛を予防することができること。 また妊婦の妊娠に対する責任をより認識させるという精神的な効用も挙げられています。
以前は、どこの産婦人科でも「戌の日」に病院でさらし木綿の服帯を巻くことが多かったようですが(母談)、最近は、 服装や生活様式の変化により、さらし木綿よりガードル式の腹帯を使用する方が増えてきました。(うちのスタッフの妊婦さんもそうです) さて、私の義妹がこの度新しい命を授かることになりました。妊娠4ヶ月のある日、義妹より電話で母宛に「戌の日に腹帯を巻きた いんですけど、巻いてもらえないでしょうか?」とありました。母は即座に「いいよ」と返事したそうです。 その後、仕事から帰ってきた私に「あんた、巻いたことがあるやろ?巻いてあげたら?」という始末・・・。 考えてみると、助産師歴8年の私は妊娠中のさらしの腹帯を巻いたことが1回しかなく、慌てて助産師学校で使用した教科書を開いて巻き方を 確認しました。さらしはおなじみの「○松屋」に行き、赤字で寿の字入りで犬の絵が入っているさらしを購入しました。(値段は千円前後でした) そして「戌の日」当日。毎年初詣に行っている近所のお寺に、弟夫婦・母、そしてなぜか私も行って安産のお札をいただき、さらしの腹帯 をお払いしてもらい、自宅に帰ってきました。そして実際に巻くことに。母が最初は「久しぶりに私が巻こうかな。」と言い、巻き始めましたが、 「あれ、どうだったかな・・・。」と。私に交代し、私が巻き始めました。 さらしを二つに折り、下から折り返しながら徐々に上に重ねて巻いていきます。下から巻くことでだんだん大きくなっていくおなかを支えるためです。 このときお札は縦にして中に挟みこみます。横にすると流産すると言われているそうです。 巻き終わりは安全ピンで留めてもいいのですが、おなかに刺さると危ないということで、今回は中に折り込んで完成しました。 義妹は、「おなかが暖かいですね。なんか、妊婦という実感がわいてきました。」とのこと。 その義妹も現在妊娠6ヶ月。最近では、「赤ちゃんがおなかの中でよく動くんです。」と喜びの電話がありました。 私にとって、夏には5人目の甥っ子?姪っ子?(未だ、性別が分からないそうです)が産まれます。 新しい命の誕生を楽しみに生活している今日この頃です。(助産師 山本 礼子)
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